浅草文庫の商品を見て、皆さんがおっしゃってくださる
「キレイですね」のお褒めのお言葉(いつもありがとうございます!)。
どうやって真っ白になめした革から色鮮やかな文庫革になっていくのか、
以前Instagramで紹介させていただいたのですが、
もっと多くの方に知っていただきたいので、
こちらのブログでも、その絵付けの工程をお話しさせてください!
浅草文庫の文庫革は、型友禅と手描き友禅で彩色していきます。
実は、浅草文庫の前身は着物メーカー。
お着物の染色技法でも耳にすることがあると思うのですが、
浅草文庫の商品は全て友禅で彩色しています。
型友禅は、まず専用の器具にスクリーンをセット。
緑色のスクリーンをよく見ていただくと、黄色いお花のようなものが見えませんか??
この黄色に見えるところに、専用の染料とヘラ使い、色をつけていきます。
私も実際に体験しましたが、ヘラを持つ角度や力の入れ具合がとにかく難しいのです。
染料がのりすぎても、かすれてもだめなので、その調節に一苦労した思い出が……。
一色一色丁寧に色を重ねていく型友禅。
乾かないと次の色へは進めないので、時間もかかる作業です。
紹介している「花菱」という柄だと色にもよりますが、
この工程を18回ほど繰り返します。
途中でずれてしまうと、商品にはならなくなってしまうので、
職人は集中力を切らさないよう作業しています。
こうした作業を繰り返すことにより、華やかな文庫革に変身していくのです。
単純な繰り返し作業でしょう?と思われた方、この繰り返しが大変なのです!
天然皮革は天候や湿気に敏感なので、革が伸び縮みする場合があるのです。
同じ日でも雨が降ったりすると違うんですよ。
そういった管理もしながら、ひとつひとつ丁寧にお作りしています。
また、染料も専用のものを使用しています。
![](https://asakusabunko.jp/wp-content/uploads/2FA68C0E-2684-4802-80C3-E003FDB2095B-1024x1024.jpeg)
色によっては、色を調合してオリジナルカラーを作ることもあるんです。
多色使いの多い浅草文庫の商品ですが配色にもかなりこだわっており、
カラフルながらもまとまって見えるのは着物の技術を応用しているのです。
工房の皆さんにお聞きしたところ、1日辺り20~30枚ほどしか作れないそうです。
やはり時間がかかるというのもあり、たくさん作ることはできないようです。
型友禅の工程が終わった後に手描き友禅を施していきます。
職人がひとつひとつ丁寧に筆を入れていきます。
熟練の職人さんだと、迷いのない筆さばきで
きれいなグラデーションがあっという間に!
手描き友禅を行うことで立体感が生まれ、温かみと華やかさがプラスされます。
最後に型押しをすることで、ふっくらとした手触りの文庫革が完成します。
![](https://asakusabunko.jp/wp-content/uploads/4A007FE8-2B59-46B1-BB9D-40D421689234-1024x1024.jpeg)
いかがでしたか?
こういった製造工程を知ってみると商品を見る目も変わってきませんか?
柄によって工程が変わることはありますが、
今回は浅草文庫を代表する『花菱』柄でご紹介いたしました。
また違う柄もご紹介できたらと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!!